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練習日記

霞ヶ関フィルの山あり谷あり飲みありの練習日記です。

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年末最後の練習は、各曲通しとポイントピックアップして合わせました。
録音を聞いてみましたがかなりよくなったところもあって、いろんな人の努力の跡が見えて自分もがんばろうと思いました。

音楽とただの物理的な音の違いは、奏者の伝えたいメッセージや感情や情景があるかどうか、という考え方もできるかなと思っているのですが、残念ながらまだ、こりゃ魂入ってないただの音だな~と感じるところがありますよね、ぼく自身も「このフレーズの魅力がよく分からない…」というところが実は少し残っていて迷走していますが、もっとよく考えるなり人と話してみるなりして、ちゃんとすべての瞬間を人間の奏でる音楽にできるように、がんばっていきましょう!

もう時間もないですから、お互いに思っていることを話したりアドバイスをしあったりして、みんなで協力しあって効率的に高めて行きましょう!そこが気にされている、ということが伝わるだけでそこをよくしようと考えるので絶対演奏の質は上がります。



録音を聞いて、個人的に各曲をどうしたいと思ったか、書いてみます。

[ウェーバー]
オペラの序曲だけあって、これから始まる劇への期待を持たせる、わくわくする曲ですね。
深く美しいドイツの森。魔弾を求めて向かう悪魔ザミエルのいる不気味な狼谷。マックスを想うアガーテ。沈む彼女を励ます従妹のエンヒェン、最終的に至る大団円。
劇の音楽は、具体的なシーンを想像して命を吹き込みたいですね。別に実際のシーンを知らなくても自分の想像で大丈夫。想像すると、だったらこうしたいな!と音楽が見えてきますよね。
今の演奏は、何のシーンも想像しないで音だけでさらってるところが結構残っていますね。自分たちもお客さんももっとわくわく楽しくなれるように、音符の向こう側を想像して演奏しましょう!

[モーツァルト]
ウェーバーやチャイコフスキーと違って、具体的なシーンや感情や情景というより、音楽自体、音符自体の美しさや楽しさや躍動感などを感じてそれを伝える、というものと思います。
特に二楽章で顕著ですが、正確に、間違えずに、ということが優先されて美しさを感じているか疑問を感じるところが結構残っていますよね。
休符があってもフレーズをとぎらせないで、音楽的な緊張が高まっていくのを大事にして、大切な音をしっかりと鳴らせると、拍感がちゃんと出てその結果正確に聞こえる、というのを目指したいです。
モーツァルトの音楽って、優雅で美しいから、なんだかお上品におとなしく演奏してしまいがちですが、彼モーツァルトってユーモアたっぷりでびっくりさせるの大好きですよね。演奏するときに、モーツァルトが自分の横に立って見ていると想像して、彼に「そうそう、これ、面白いでしょ!?フフフッ」と笑ってくれるような演奏ができるようにがんばりたいです。

[チャイコフスキー]
曲自体の表現がおおげさなので、どんな感情をお客さんに伝えたいかを考えないと、あほらしいコントみたいな演奏になりがちな曲。難しいですね…。

1楽章は、たちはだかる過酷で理不尽な運命に恐れおののき苦悩する自分とそれでも奮い立たせ孤独な戦いに向かう決意をする自分の間で何度も揺れる…大人なら誰しも運命に挑戦した経験があると思います。そのときの感情を共有できるような演奏にしたいですね!
既に結構できていると思いますが、「このフレーズは苦悩か?意志か?」ということをはっきり認識するとさらにもっと劇的でおもしろい演奏になるかもしれませんね。

2楽章は、戦い疲れ切った心に浮かぶ幸せな空想となお襲い来る悲劇的な現実。嗚咽のような悲鳴のような叫びと幸福への焦がれるような憧れの激しい変化に涙が出るくらい切なくなりますね。
メロドラマは恥ずかしがってそこそこにしてしまってはほんとに恥ずかしい演奏になってしまいます。ちゃんと思い切ってこてこてのメロドラマにしましょう!「約束の6か月がたってエンパイア・ステート・ビルディングに期待いっぱいであの人に会いに行く…!」みたいなやつです。
最終的には悲劇的な運命によってついにうちのめされて死んだような状態になり、神や天使のような存在に温かく包まれます(たぶん)。
「このフレーズは悲しいか?幸せか?」ということをはっきり認識するとさらにもっと幸せな演奏になるかもしれませんね。

3楽章は、幸せな夢うつつの中で、麗しい過去の思い出を回想してる感じでしょうか。メリーゴーラウンドみたいにくるくる少し目まぐるしく少し狂ったように、そしてなんだか壊れてしまいそうに…。人生の素敵だった瞬間を懐かしむのって、はかなくて切なくて気持ちいいですね。
個人的にはまだちょっと理解しがたいところが残っていて難しいですが…もう少しで消化できそうな気もします。がんばります!

4楽章は、目を覚まして気力に満ちてついに運命に打ち克つ!…のでしょう。1~3楽章のドラマがしっかりしていると、大感動できそうです!(それができてないと何をそんなに大騒ぎしてんのって感じでしらけて眠くなっちゃいますね)
もう思う存分はっちゃけるのがいいんだと思います。お祭りですね。
英雄を称えるようなかっこいい感じにしたいですね!



なかなか楽器を練習したり曲について考えたりする時間を作ること自体厳しいと思いますが、音楽に対する、人間に対する敬意を持って、本番でお客様といい時間を共有できるようがんばりましょう!
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