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8月6日は、7月30日の弦、管の分奏を経てからの合奏で、新世界の1、2楽章と、カルメン第2組曲を練習しました。
それぞれ、表現を少し丁寧に見直しました。
[新世界]
三点、アクセントと調性と音色に関して書きます。
・アクセントについて
初合奏の時に、指揮の高橋先生が自筆譜で確認してくださったドボルザークの細かく書き分けた各種アクセント記号やフォルツァンド記号の違いを共有し、それを意識した演奏を目指していますね。
気をつけたいと思うのは、アクセントを「ただ記譜どおりの強さにする」のではなく、それによってもたらされるリズムの「感覚的な気持ちよさ、おもしろさ」を消化していたいということです。
そもそもそれが無ければ、細かな違いなどもはやなんの価値も無くなってしまいますね。
新世界とはアメリカのことであるとは言っても、黒人霊歌や「ハイアワサの歌」というインディアンの英雄叙事詩、ドボルザークの故郷チェコ、ボヘミア、といった原始的、民族的なイメージが強いです。洗練された西洋音楽にとって異質だからこそ面白くて味がある、それらの独特なリズム感覚を今一度、想像しましょう。それがなければ自然な歌になりません。
ポイントは、このアクセント気持ちいいだろうか?と問うことだと思います。
具体的なアプローチの一つとして、もしそのアクセントがなかったらどんな演奏になるか想像するもしくは試してみて、その違いから魅力を理解するという方法があります。
なんだか譜面に書いてあるから機械的にアクセントつけてるだけ、という所はぜひ見直してみてください。
・調性について
1楽章で「115小節から愛のE dur」と指摘されましたが、美しくて優しいGisが出せずすみませんでした。美しいE durの音階が鳴らせるように練習して来るので、次回は愛のE dur を実現してみせますね。
同様に、例えば、1楽章32小節〜はE moll、2楽章7小節〜はDes dur、46小節(練習番号2)〜はCis moll、54小節〜もCis moll、90小節(練習番号4)〜はCis dur をそれぞれ美しく鳴るように練習してからさらうと旋律や和音が難なくいい音で気持ちよく鳴らせるようになるので、音に違和感を感じる方、自信のない方はぜひとも試してみてください。
音感や技術の不足は、調性を確認することでかなり補えます。
・音色について
よく知られている曲だけに、お客様も大変な期待を持って聞きにいらっしゃることと思います。特に木管楽器はその美しい旋律を美しい音色で奏でることが当然のように期待されてしまいます。その高い要求をできるだけ裏切らないために、やはり例えばプロの先生に個別に教えを乞い、正しい奏法、適したリードを準備するといったことが必要なのではないかと思います。アマチュア奏者の独特の音色が一般聴者にとって聞くに耐えないことは少なくないと思います。
[カルメン]
密輸入団の行進の練習番号Gの三連符のところ、ノンビリ吹いてすみませんでした。繰り返し練習していた時のある瞬間に一気に切り替わったことから察するに管分奏でやっていたのですね、やはり欠席したことで足を引っ張ってしまうことになってしまっていたようです。
ハバネラではチェロが色香と同時に死の運命の暗示の雰囲気を持たせる方法、フルートとクラリネットが男を誘惑する手練手管^^を伝授されましたね。
ノクターンでは、ミカエラの勇気、覚悟、そして祈り…
この日の練習では、各所にあてられた具体的なセリフを確認してそれにふさわしい表現に近づけました。
ぼくは半年くらい前にやっと初めて歌の音源を歌詞の対訳を見ながら聞いたのですが…やはり器楽のどんな名演奏を聞いても分かり得ない歌だけが持つ特徴があり、旋律やリズムの魅力がとても自然に理解でき素直に感動できました。器楽演奏では声楽の奏法を完全に模倣することがいい演奏になるとは限らないため、どんな名演奏でもオペラそのものとは違うものにならざるを得ません。正直、器楽のセギディーリャにはぼくはあまり魅力を感じていませんでした。ですが歌の魅力を知ってから器楽の演奏を聴くと、歌の特徴が想起されて器楽の演奏もものすごく楽しんで聴けるようになりました。
器楽の演奏だけで曲の要素の全てを理解するのはよほど優れた感性をお持ちでない限り難しいと思います。
どう表現すればいいかよく分からないとかリズムが難しいとか思っていた過去の自分が、歌を聞いた今思い返すと大変滑稽に感じます。
まだの方は器楽のどんな名演奏よりもまず歌を聞いてみてください。
音源が入手できない方は以下のリンクを利用してください。(このリンクは第1幕の音源ファイル。そこから他の第2~4幕の音源ファイルにリンクしている。)
http://youtu.be/UosSQO4o7m0
カルメンのオペラの音声と、その進行に合わせて歌詞と対訳が表示される動画です(パブリックドメイン)。
芝居の画像がないのでつまらないかとあなどっていたけれど…すごく分かりやすくてよかったです。
やはり歌詞は音楽の意図を理解する上でかなり重要です。ハバネラ、ノクターン、セギディーリャは特にものすごく印象が変わりました。
参考までに一例、ハバネラが始まる直前のカルメンのセリフ:
「あんたに惚れるのはいつかって?
さあね そんなの知らないよ
ずっとないかも知れないし
明日かも知れない
でも今日じゃない それは確かだけどね」
----------
オケ版組曲の各曲が、オペラ音源の何幕の何分から始まるかのメモ↓
1.プレリュード
1幕-02:22(音楽のみ)
1a.アラゴネーズ
4幕-冒頭(音楽のみ)
2.インテレメッツォ
3幕-冒頭(音楽のみ)
3.セギディーリャ
1幕-47:30(歌)
4.アルカラの竜騎兵
2幕-冒頭(音楽のみ)
2幕-21:33(歌)
5.トレアドール
1幕-冒頭(音楽のみ)
4幕-05:15(歌)
6.密輸入団の行進
3幕-02:32(歌)
7.ハバネラ
1幕-20:06(歌)
8.ノクターン
(ミカエラのアリア)
3幕-22:47(歌)
9.闘牛士の歌
2幕-08:57(歌)
10.衛兵の交代
1幕-09:33(歌)
11.ジプシーの踊り
2幕-02:01(歌)
それぞれ、表現を少し丁寧に見直しました。
[新世界]
三点、アクセントと調性と音色に関して書きます。
・アクセントについて
初合奏の時に、指揮の高橋先生が自筆譜で確認してくださったドボルザークの細かく書き分けた各種アクセント記号やフォルツァンド記号の違いを共有し、それを意識した演奏を目指していますね。
気をつけたいと思うのは、アクセントを「ただ記譜どおりの強さにする」のではなく、それによってもたらされるリズムの「感覚的な気持ちよさ、おもしろさ」を消化していたいということです。
そもそもそれが無ければ、細かな違いなどもはやなんの価値も無くなってしまいますね。
新世界とはアメリカのことであるとは言っても、黒人霊歌や「ハイアワサの歌」というインディアンの英雄叙事詩、ドボルザークの故郷チェコ、ボヘミア、といった原始的、民族的なイメージが強いです。洗練された西洋音楽にとって異質だからこそ面白くて味がある、それらの独特なリズム感覚を今一度、想像しましょう。それがなければ自然な歌になりません。
ポイントは、このアクセント気持ちいいだろうか?と問うことだと思います。
具体的なアプローチの一つとして、もしそのアクセントがなかったらどんな演奏になるか想像するもしくは試してみて、その違いから魅力を理解するという方法があります。
なんだか譜面に書いてあるから機械的にアクセントつけてるだけ、という所はぜひ見直してみてください。
・調性について
1楽章で「115小節から愛のE dur」と指摘されましたが、美しくて優しいGisが出せずすみませんでした。美しいE durの音階が鳴らせるように練習して来るので、次回は愛のE dur を実現してみせますね。
同様に、例えば、1楽章32小節〜はE moll、2楽章7小節〜はDes dur、46小節(練習番号2)〜はCis moll、54小節〜もCis moll、90小節(練習番号4)〜はCis dur をそれぞれ美しく鳴るように練習してからさらうと旋律や和音が難なくいい音で気持ちよく鳴らせるようになるので、音に違和感を感じる方、自信のない方はぜひとも試してみてください。
音感や技術の不足は、調性を確認することでかなり補えます。
・音色について
よく知られている曲だけに、お客様も大変な期待を持って聞きにいらっしゃることと思います。特に木管楽器はその美しい旋律を美しい音色で奏でることが当然のように期待されてしまいます。その高い要求をできるだけ裏切らないために、やはり例えばプロの先生に個別に教えを乞い、正しい奏法、適したリードを準備するといったことが必要なのではないかと思います。アマチュア奏者の独特の音色が一般聴者にとって聞くに耐えないことは少なくないと思います。
[カルメン]
密輸入団の行進の練習番号Gの三連符のところ、ノンビリ吹いてすみませんでした。繰り返し練習していた時のある瞬間に一気に切り替わったことから察するに管分奏でやっていたのですね、やはり欠席したことで足を引っ張ってしまうことになってしまっていたようです。
ハバネラではチェロが色香と同時に死の運命の暗示の雰囲気を持たせる方法、フルートとクラリネットが男を誘惑する手練手管^^を伝授されましたね。
ノクターンでは、ミカエラの勇気、覚悟、そして祈り…
この日の練習では、各所にあてられた具体的なセリフを確認してそれにふさわしい表現に近づけました。
ぼくは半年くらい前にやっと初めて歌の音源を歌詞の対訳を見ながら聞いたのですが…やはり器楽のどんな名演奏を聞いても分かり得ない歌だけが持つ特徴があり、旋律やリズムの魅力がとても自然に理解でき素直に感動できました。器楽演奏では声楽の奏法を完全に模倣することがいい演奏になるとは限らないため、どんな名演奏でもオペラそのものとは違うものにならざるを得ません。正直、器楽のセギディーリャにはぼくはあまり魅力を感じていませんでした。ですが歌の魅力を知ってから器楽の演奏を聴くと、歌の特徴が想起されて器楽の演奏もものすごく楽しんで聴けるようになりました。
器楽の演奏だけで曲の要素の全てを理解するのはよほど優れた感性をお持ちでない限り難しいと思います。
どう表現すればいいかよく分からないとかリズムが難しいとか思っていた過去の自分が、歌を聞いた今思い返すと大変滑稽に感じます。
まだの方は器楽のどんな名演奏よりもまず歌を聞いてみてください。
音源が入手できない方は以下のリンクを利用してください。(このリンクは第1幕の音源ファイル。そこから他の第2~4幕の音源ファイルにリンクしている。)
http://youtu.be/UosSQO4o7m0
カルメンのオペラの音声と、その進行に合わせて歌詞と対訳が表示される動画です(パブリックドメイン)。
芝居の画像がないのでつまらないかとあなどっていたけれど…すごく分かりやすくてよかったです。
やはり歌詞は音楽の意図を理解する上でかなり重要です。ハバネラ、ノクターン、セギディーリャは特にものすごく印象が変わりました。
参考までに一例、ハバネラが始まる直前のカルメンのセリフ:
「あんたに惚れるのはいつかって?
さあね そんなの知らないよ
ずっとないかも知れないし
明日かも知れない
でも今日じゃない それは確かだけどね」
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オケ版組曲の各曲が、オペラ音源の何幕の何分から始まるかのメモ↓
1.プレリュード
1幕-02:22(音楽のみ)
1a.アラゴネーズ
4幕-冒頭(音楽のみ)
2.インテレメッツォ
3幕-冒頭(音楽のみ)
3.セギディーリャ
1幕-47:30(歌)
4.アルカラの竜騎兵
2幕-冒頭(音楽のみ)
2幕-21:33(歌)
5.トレアドール
1幕-冒頭(音楽のみ)
4幕-05:15(歌)
6.密輸入団の行進
3幕-02:32(歌)
7.ハバネラ
1幕-20:06(歌)
8.ノクターン
(ミカエラのアリア)
3幕-22:47(歌)
9.闘牛士の歌
2幕-08:57(歌)
10.衛兵の交代
1幕-09:33(歌)
11.ジプシーの踊り
2幕-02:01(歌)
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この記事へのコメント
無題
こうなると、なんだか音源を公開していた「オペラ対訳プロジェクト」が著作権侵害をしてしまっていたかのような印象を与えてしまいかねませんが、そういうことではありません。
現在著作権(著作隣接権)の保護期間は国によって異なり日本ではパブリックドメインでもそうでない国もあるという状況ですが、「日本でパブリックドメインの音源をYouTubeを公開した人に、配信元が他国でまだ有効な著作権の侵害を申し立てる」ということが、どちらも不当なことをしているわけではないのですが、起こってしまうようです。
このため「オペラ対訳プロジェクト」が公開していたバッハ、モーツァルト、ヴェルディの音源で著作権侵害申し立てがあり三か月以内に三回その警告を受けるとYouTubeアカウントが削除されるというルールが適用されて削除されてしまったらしいです。
ただ、過去に同様に「オペラ対訳プロジェクト」のプッチーニの音源への配信元の著作権侵害申し立てがあった際に、YouTubeに対する異議申し立てが認められ警告解除されたことがあるらしく、今回のアカウント削除はタイミングの問題であって「オペラ対訳プロジェクト」も配信元も双方不正があるわけではないことが分かります。
YouTubeの一部動画では、この国によって著作権に関する法律の異なる状況に対応した「お住まいの地域では視聴できません」と表示される地域制限のかかったものもあるそうですが、公開者が設定することはできないようです。もしYouTubeがそれを「オペラ対訳プロジェクト」の動画に適切に適用できていればこのような事態は起こらなくて済んだはずですが、残念ながら対応しきれていなかったためこのような事態になってしまったようです。残念ですが仕方ありません。
世の中こういう「誰も悪くないけれど起こってしまう問題」がたくさんありますね。音楽演奏でも仕事でも…。そういうものを少しでも減らせるよう、日々がんばっていきましょう…!
無題
3つの警告のうち一つの解除処理をようやくYouTubeが完了したからということのようです。
「オペラ対訳プロジェクト」がそもそもアカウントを停止されるいわれはないのですが、タイミング次第で視聴できないことが今後もあるかもしれません。