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練習日記

霞ヶ関フィルの山あり谷あり飲みありの練習日記です。

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8月最後の練習でした。
前回の練習時の残り2か月というのもだいぶ近づいた感じがありましたが、今回であと1か月半と考えると、目の前に来たとより強く感じられます。

<新世界>
前回取り上げていない3・4楽章を。時間としては3楽章の方がより重点的に取り組みました。

3楽章のスケルツォは、3拍子の中でも2拍子のフレーズが出てくるヘミオラもあり、スラブ舞曲にも通じるドヴォルザークらしいリズムを感じるところです。
そうはいっても、3拍子と2拍子が同時並行だったり、それぞれの中でもシンコペーションの関係にあったりと、合わせるのがやっぱり難しいですね。(出番はないので見ていただけですが。)

団員指揮の練習でも同じような話がありましたが、知っている曲だからこそ、先入観や慣れに頼らず、新しい気持ちで作っていくことを大事にしたいとつくづく感じます。
メトロノームを使ったりとか、スコアを見たりとか、基本的なことの積み重ねが活きてくるのかなあと、そういう印象を持ちながら聞いていました。

4楽章は総集編。1楽章から3楽章のいろいろなメロディーが出てくるとのお話や、それぞれの楽章の雰囲気も思い返しましょうという趣旨のご指摘もありました。
循環形式というとベートーヴェンとかフランクとかが有名ですが、この曲もそういう思いで聴くと新しい発見があって面白かったです。
ちなみに、1楽章の主題は、2楽章にも3楽章にも出てきますね。これまでの練習でも指摘がありましたが、改めて見返してみると個人練習に取り組むときにも新鮮な気分になります。

<カルメン>
今回は第1組曲を取り上げました。劇中のアリアや合唱を中心に取り上げる第2組曲とは対照的に、ひたすら前奏曲や間奏曲が並んでおり、唯一の例外が1幕のセギディーリャ(オペラではカルメンが登場するハバネラの少し後でカルメンがホセを誘惑するシーン)という構成です。
組曲版の「前奏曲」は、たしかに1幕の開始直前ではありますが、オペラの前奏曲は「闘牛士」として知られる曲の後に演奏される部分です。組曲しか知らなかったときは気にならなかったのですが、オペラを見てしまうと、「闘牛士」が終わった後に再び前奏曲に戻って延々と繰り返されそうな気がしてしまいます。
この「前奏曲」は運命の動機と言われるライトモティーフで、この後に起こる不幸をこれでもかと予告しています。オペラの場合だと、大げさにやりすぎるよりは、淡々と不吉な感じを奏でる方が不幸がより強調されるのではと思っていますが、組曲としてやる場合には大げさにやるような演奏の方が好きです。

他の曲についても書きたい気持ちはいろいろありますが、それはまたの機会に譲るとして、練習後の飲み会での先生との会話から思ったことを。

ご存知の方も多いでしょうが、オペラの結末では、カルメンはホセにナイフで刺され息絶えます。一見すると、もはや自分に愛情を向ける可能性が微塵もなくなったカルメンに絶望したホセが凶行に及ぶという構図です。
しかし、このとき、カルメンは自らが死に向かっていることを自覚していたのか、という点は議論の分かれるテーマかもしれません。彼女の人生は、意図せず不意に絶たれてしまったのか、それとも(殺されるという構図とはいえ)むしろ自ら死を選び、このような結末を迎えたということなのでしょうか。
どう解するかによって、カルメンという女性像も大きく変わってきそうですね。皆さんはどのように思いますか?

ちなみに、オペラでは、ホセは新しい土地に一緒に行こうと懇願していますが、原作ではより具体的に、アメリカに一緒に渡ろうと提案しています。
選曲をするときには(少なくとも私は)まったく気づいていませんでしたが、新天地を求めようとした(おそらく訪れることのなかった)ホセと、新たな土地で作曲・教育に取り組んだドヴォルザークに思いを馳せるのも、これまた1つの楽しみにできるのかなと思っているところです。
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